会津大学ではロボットソフトウェアの開発支援・普及・教育を行い、様々な形式での福島県のロボット人材の育成を目的とした講習会を開催しています。これまで、『ロボットミドルウェアOpenRTM-aist』、『ロボットシミュレータChoreonoid』、『パーソナルロボットPepper』などを教材とした講習会の開催や教材の開発を行っております。ここでは、2019年度開催したデュアルウェア講習会および、Choreonoid講習会について中心に報告します。また、私たちが継続的に運営しているロボットソフトウェアを再利用するためのコンポーネントを格納したソフトウェアライブラリや開発者の意見交換などを目的としたサイト『RTC-Library-FUKUSHIMA(https://rtc-fukushima.jp/)』について紹介します。

デュアルウェア講習会II

会津大学 中村啓太
株式会社FSK

近年流行しているシングルボードコンピュータ Raspberry Piを利用したIoT(Internet of Things) 入門では、GPIO、I2C、SPI、UART、PWMに関する内容を扱います。しかしながら、ロボットシステムを構築することを考えた場合、より高度な電気・電子 回路の知識が必要となります。そこで、ロボットハードウェアとロボットソフトウェアを理解したロボットシステムインテグレータ(デュアルウェア『Dualware』技術者)が必要と考え、2018年度に「デュアルウェア講習会」を開催しました。この講習会では、回路の組み立て方、 データシートの読み方を勉強し、ハードウェアの仕様をソフトウェアに反映させる方法を学び、温度センサを使って簡単なIoTシステムを構築する方法を実践形式で行いました。
2019年度は、取得したデータをデータベースに格納し、そのデータをリアルタイムに可視化する内容を付加した「デュアルウェア講習会II」を開催しました。

2018年度開催したデュアルウェア講習会の概要
2019年度開催したデュアルウェア講習会IIの概要

講習会概要

  • 使用する温度センサについて説明
  • データベースの操作について説明、実践
  • Pythonでのデータベース操作を実践
  • データベースの値をグラフで可視化しリアルタイムで表示するシステムを作成

紹介動画

講習会の様子
データベースに格納された温湿度データのリアルタイム可視化の様子

お問い合わせ

会津大学企画連携課
電話:0242-37-2511
Email:cl-innov@u-aizu.ac.jp


ロボットシミュレータChoreonoid講習会

会津大学 中村啓太
株式会社FSK

パソコン内で仮想空間を実現するロボットシミュレータChoreonoidを使用して、仮想空間上でのロボットの遠隔操作だけではなく、プログラミングによる仮想ロボット制御コントローラを設計することを目的とした「ロボットシミュレータChoreonoid講習会」を開催しました。ロボットシミュレータは今後活躍する分野で、事前の動作確認や操作練習を行い、ロボット開発の効率化やロボット遠隔オペレータの育成を可能にします。特に、講習会で使用したChoreonoidは、World Robot Challenge インフラ・災害対応カテゴリー トンネル事故災害対応・復旧チャレンジのシミュレータとして採用されており、ロボットミドルウェアOpenRTM-aistやROSと連携できる特徴があります。
2019年度開催したChoreonoid講習会では、TurtleBot2を模倣した仮想ロボットに対して、①『PS4コントローラによる制御』、②『カメラセンサが取得した画像に応じた制御』、③『PID制御によるライントレースを行うコントローラの設計』について実践形式で行いました。

制御対象の仮想Turtlebot2モデル

講習会概要

  • Choreonoidについて説明
  • サンプル仮想ロボットを使った遠隔操作体験
  • 仮想Turtlebot2モデルを制御するコントローラを設計
  • カメラセンサが取得した画像に応じた制御
  • PID制御によるライントレースによるコース走破

紹介動画

講習会の様子
ライントレースによるコースを走破する仮想Turtlebot2モデルの様子

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会津大学ロボット教材

会津大学 中村啓太
株式会社FSK

これまで、様々な受講者に対応した数々のロボット教育教材を開発してきました。開発した教材をWEBに公開または使用して各講習会を開催しています。

ロボット教育教材を使った講習会

RTミドルウェア講習会 OpenRTM-aistを中心としたロボットを動かすためのミドルウェアについて学ぶ講習会
OpenRTM-aistを使用して簡単なロボットシステムを作成します。
デュアルウェア講習会ソフトウェアとハードウェアを両方(デュアルウェア)学ぶ講習会
電子回路を作成し、センサとコンピュータを接続し、IoT実践的システムを作成します。
ロボットシミュレータChoreonoid講習会Choreonoidの使い方、仮想ロボットモデルの製作、仮想ロボットモデルの制御を学ぶ講習会
仮想空間のコースでライントレースを行い、ロボットモデルが線に沿って走ります。
人材育成カリキュラムロボットミドルウェアOpenRTM-aist・ROSを利用したロボット開発を経験します。
5日間をかけてロボットの遠隔操作の基礎を学びます。
浜通りロボット人材育成高校生向けロボット教育
プログラミング基礎、Pepperの制御、ロボットシミュレータChoreonoidを活用した遠隔操作など幅広い分野を学びます。

紹介動画

講習会に参加できない方のためにロボット教材のテキストは[RTC-Library-FUKUSHIMA]にアップロードされています。また、OpenRTM-aistを自宅で学習できるようにe-ラーニング教材を開発しており、オンラインでの自習を可能にしました。

e-ラーニングOpenRTM-aistによるRTコンポーネントを起動するための基本動作、RTコンポーネント作成方法、
OpenRTM-aistでChoreonoidのモデルを動かす方法を動画の説明を見ながら学べます。

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RTC-Library-FUKUSHIMA

会津大学 渡部有隆
株式会社FSK

ロボットソフトウェアのコンポーネントを格納するライブラリを先端ICTラボに構築しています。開発されたソフトウェアを格納するとともに、再利用を促すことにより、県内のロボット開発産業の進展に貢献します。
RTC-Library-FUKUSHIMAは、コンポーネント検索・登録・閲覧用のライブラリ、教育資料やガイドラインをまとめたドキュメント、会員同士が意見交換を行うフォーラムなどの機能を提供しています。

ライブラリの機能

サイト訪問者はキーワード、カテゴリ、タグでライブラリを検索することで登録された「コンポーネント」、またはコンポーネントを機能としてまとめた「パッケージ」を参照可能。また、会員登録を行うことで、ライブラリへコンポーネントやパッケージを登録し、広く公開することができます。
コンポーネントやパッケージの登録件数は年々増加しており、現在は141件(コンポーネント123件、パッケージ18件)となっております。

その他機能

  • 利用者同士の情報交換を行うフォーラム
  • ロボットの理解を深める講習会情報および教育資料、e-ラーニングの提供
  • 関連リンク集、FAQなど

コラム

ロボットに関する話題をコラムで発信しています。これまでのロボット開発の成果や技術的なこと、ロボットのイベント参加に関することなど、幅広い話題で盛り上がっています。是非RTC-Library-FUKUSHIMAでロボット技術者の様々な作業や苦労話などを楽しんでください。

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