概 要

訪問日:2021年12月22日(水)
場 所:株式会社菊池製作所 南相馬工場/ROBOTCOM & FA.COM 南相馬工場
訪問者:会津ロボットデュアルウェア研究会(ARDuC)
執筆者:福島コンピューターシステム株式会社 永井朝祐

企業訪問の背景

会津大学ではロボット技術や製品・サービスの展開を目指している福島県の企業を中心にARDuCというコミュニティーを形成し産学連携でのロボット技術の研究・開発を進めています。また、福島県浜通りにある南相馬市とは2018年から連携協定を結び、南相馬市でロボット技術を中心とした若手人材育成や産学連携を進めています。
今回はARDuCの企業メンバーと南相馬市の企業との交流を深めるために、南相馬市の代表的なロボット関連企業2社の見学を企画しました。

訪問企業紹介

■株式会社菊池製作所 南相馬工場
菊池製作所は、開発設計から金型・試作品製作、量産品製造、アッセンブリ、検査までの工程を一括一貫し、産学官連携でロボット開発など、ものづくりを支援する企業です。
自律移動型のサービスロボットや装着型の作業アシストスーツ、インフラ網の点検や測定に利用されるフィールドロボットのドローン開発に携わっています。

■ROBOTCOM & FA.COM 南相馬工場
ロボコム・アンド・エフエイコムは、最先端の大型精密加工機にて精密な部品加工事業や工場自動化のためのロボットパッケージシステム実装の支援、複雑な形状の3Dデータによる部品の製作も行っています。
「コンサル」「ITシステム」「建物建設」「保守」「人材」などをサポートするパートナー企業や関連省庁、自治体、研究機関などの公的機関、そしてコア部分の技術を提供する幹事会社と製造工場のスマートファクトリーソリューションを提供しています。

見学内容

■株式会社菊池製作所 南相馬工場

株式会社イノフィスが開発したマッスルスーツの開発に関わっていて商品の体験を行いました。
マッスルスーツは、筒状のチューブへ圧縮空気を注入し、ゴムチューブの伸縮が人工筋肉となることで人の筋力をアシストする装着型の作業アシストスーツです。腰に負担がかかる力仕事をサポートする機器です。

製造ラインでは、ドローンや搬送ロボットの組み立てが行われていて、工場内での実証試験や購入後の操作講習も敷地内にて行われるとのことでした。

■ROBOTCOM & FA.COM 南相馬工場
工場は、福島ロボットテストフィールドに隣接した復興工業団地に2021年6月開所しました。
AIを活用した自動見積もりの活用、仮想生産ラインによるシミュレーションなどと最先端の設備が融合し、デジタルツインを実現。自律制御など最適化された工場です。工場内は基幹システムと生産ネットワークレベルの二段階でネットワークセキュリティを構成し、堅牢なネットワークを構築しています。

〇加工工場
工場は、大型加工機や曲面の加工ができる機械、また部品製造も可能な3Dプリンタそして様々な検査測定機械が配置されていました。
工程ごとに最適化された製造業におけるDXを行っている工場です。

 

〇展示場:SMALABO
スマートファクトリーの最先端技術を体感できる各種ロボットパッケージが展示されていました。

▶アパレルピッキング
出荷オーダーに基づいて商品ピッキング作業を行います。
狭い空間で効率よく作業することができます。

▶お弁当盛り付け
お弁当盛り付け工程をセンサとロボットにより自動化します。
から揚げなどのおかず盛り付け、蓋閉め、番重への積み重ねを行います。

▶スマートフォン組立
ネジ締めや部品の取り付け等、スマートフォンの組み立て工程を自動化します。

▶スマートフォン検査
外観検査など完成品検査を自動化します。

▶番重仕分け
番重への商品仕分け作業を自動化するロボットパッケージです。
パンなどの食材を潰したりすることなく仕分けします。

 

まとめ

2つの工場を訪問し、製造業の加工、組み立て、検査といった一連の流れ、普段見ることができない最新の大型機械などを見ることができました。また、デジタル上に構築された仮想空間におけるシミュレーションから物理空間へ反映するデジタルツイン、スマートファクトリーを体感することができました。
今回、このような機会をいただきました関係者の皆様に御礼申し上げます。

福島コンピューターシステム株式会社 永井朝祐