OpenRTM-aistでサンプルコンポーネントを実行

ここではコンポーネントを起動するための基本的手順をサンプルコンポーネントを使用して学習します。OpenRTM-aistで使用するツールやその使い方について学ぶことができます。

事前準備

このトピックは以下のことを前提としています。

・e-ラーニング全体の事前準備を確認していること
OpenRTM-aistを使うための事前準備

・ここではWindows10を使って説明しています。OSやそのバージョンによりツールやコンポーネントの配置場所、画面の構成に違いがあることがあります。

1.コンポーネントを起動

コンポーネントのTkJoyStickとTkMobileRobotSimulatorを起動します。

TkJoyStickはソフトウェアジョイスティックと呼ばれるもので、PCの画面にジョイスティック(コントローラ)のGUIを表示します。
TkMobileRobotSimulatorは移動ロボットのシンプルなシミュレータで、PCの画面に移動ロボットのモデルを表示します。

スタートメニューの「OpenRTM-aist 1.2.2 x84_64」→「Python_Example」の下のTkJoyStickComp.batとTkMobileRobotSimulator.batをクリックしてコンポーネントを起動します。

起動するとGUIが表示されます。以下の画像の左側がTkMobileRobotSimulator、右側がTkJoyStickになります。

図 1-1 TkMobileRobotSimulator
図 1-1 TkMobileRobotSimulator
図 1-2 TkJoyStick
図 1-2 TkJoyStick

2.2輪ロボットのモデルを生成

起動したTkMobileRobotSimulatorの右側の真ん中にある[Create]ボタンを押します。左側の中央に緑の五角形のモデルが出現します。

図 2-1 シミュレータロボット表示

図 2-1 シミュレータロボット表示

3.ネームサーバとRTSystemEditorを起動し各コンポーネントをActiveにする

3.1 ネームサーバを起動
ネームサーバとは、起動しているコンポーネントをオブジェクト名で参照するサービスのことです。これを起動することにより、起動しているコンポーネントをRTSystemEditorに表示することができます。

ネームサーバを起動します。スタートメニューの 「OpenRTM-aist 1.2.2 x84_64」の下の「Start Naming Service」から起動します。
 

図 3-1 ネームサーバ起動時のコンソール

図 3-1 ネームサーバ起動時のコンソール

3.2 RTSystemEditorを起動

RTSystemEditorを起動します。

RTSystemEditorはコンポーネントをGUIで操作するためのツールです。
コンポーネントの配置、接続、アクティベートの操作のために起動します。

スタートメニューの「OpenRTM-aist 1.2.2 x84_64」の下のRTSystemEditorRCPから起動します。

3.3 RTSystemEditorでネームサーバへ接続

RTSystemEditorの左側のNameService Viewのコンセントアイコンをクリックし、ネームサーバに接続します。

図 3-2 RTSystemEditor: ネームサーバへの接続

図 3-2 RTSystemEditor: ネームサーバへの接続

「ネームサーバへ接続」のダイアログが表示されたら、接続したいネームサーバが起動しているコンピューターのホスト名またはIPアドレスを入力します。今回は自分のPCのネームサーバに接続したいので「localhost」と入力します。

図 3-3 ネームサーバ: 接続ダイアログ

図 3-3 ネームサーバ: 接続ダイアログ

3.4 コンポーネントを配置

ネームサーバの下にTkJoyStick0、TkMobileRobotSimulator0という2つのコンポーネントが表示されています。

RTSystemEditorのメニューバーのonlineエディタアイコン(ONと書かれたアイコン)をクリックし、SystemDiagramを開きます。 NameService ViewからTkJoyStick0とTkMobileRobotSimulator0をそれぞれSystemDiagram上にドラッグアンドドロップし配置します。

図 3-4 RTSystemEditor: コンポーネント配置

図 3-4 RTSystemEditor: コンポーネント配置

3.5 データポートの接続

接続元のコンポーネントのOutPortと接続先のコンポーネントのInPortの間をドラッグし、データポートを接続します。

図 3-5 RTSystemEditor: コンポーネント接続図

図 3-5 RTSystemEditor: コンポーネント接続図

3.6 コンポーネントをアクティベート

メニューバーの緑の「ALL」というアイコンをクリックすると、2つのコンポーネントがアクティベートされます。アクティベートされるとコンポーネントが黄緑色で表示されます。これでコンポーネントを実行している状態になります。

アクティベートとはコンポーネントが実行状態に移行することを言います。

図 3-6  RTSystemEditor: コンポーネントをアクティベート

図 3-6 RTSystemEditor: コンポーネントをアクティベート

4.ソフトウェアジョイスティックでシミュレータ上の2輪ロボットを操作する

ソフトウェアジョイスティックでTkMobileRobotSimulator上の緑の五角形を操作できることを確認してください。ソフトウェアジョイスティックのGUI上の中央の点をドラッグすると操作できます。

図 3-7 ロボットシミュレータ操作

図 3-7 ロボットシミュレータ操作

終了する場合はメニューバーの赤の「ALL」というアイコンをクリックすると、RTSystemEditorのコンポーネントがディアクティベート状態になります。

ディアクティベートとはコンポーネントが停止している状態に移行することを言います。

図 3-8 コRTSystemEditor: コンポーネントをディアクティベート

図 3-8 RTSystemEditor: コンポーネントをディアクティベート

以上でコンポーネント起動までの基本的手順の学習は終了です。OpenRTM-aistで使用するツールやその使い方について理解できましたか?
熟練度クイズで確認してみましょう!

 

熟練度クイズ

「OpenRTM-aistでサンプルコンポーネントを実行」についての理解度をクイズで確認します。