こんにちは、株式会社FSKです。

 
当社では、
ロボットシミュレータ「Choreonoid」を活用した
サイバーフィジカルシステム
(以下、CPS)の研究開発
を行っております。

従来のロボット開発は実機を中心に開発されておりますが、当社では図1のように開発したソフトウェアの動作検証をシミュレータで行ったあと実機ロボットに反映しております。
このようにシミュレータを中心に開発を行うことで、ソフトウェアの動作確認や様々なユースケースを想定した検証を気軽に行えるようになると考えております。

2023年度は、CPS実現に向けて、
シミュレータを活用した障害物情報共有システムの開発
を行いました。

本システムは移動ロボット単体では検知できない障害物(脚の高い机、範囲外の机)を天井の外部カメラから検知し障害物情報を移動ロボットに共有することで、認識範囲外の障害物を回避した経路でのナビゲーションが行えます。
移動ロボットにはLiDARセンサ(VLP-16)を取り付け、外部カメラにはRealSenseを利用しており、RealSenseの深度データから障害物を判定し、移動ロボットが取得したLaserScanデータと障害物の情報をマージすることで外部カメラと移動ロボット間でのデータ共有を行っております。

図1. 開発アプローチ

 
本システムの検証の結果、図2のようにシミュレーションと実機で障害物の深度データを取得する際に、外乱(光など)の影響により障害物がきれいに取得できないなど多少の違いが発生しましたが、どちらの環境でも障害物を避けて移動できることを確認できました。そのため、シミュレータを活用したシステム開発は実機ロボットでは時間がかかる検証やコストの削減等に繋がると考えております。

今後も当社ではシミュレータを活用した開発を行いつつ、図3のようにロボットの実用化に向けAIなどの技術も取り入れたロボットシステムの開発を行っていきたいと考えております。本記事で紹介した本システムはライブラリに登録しておりますので、興味のある方はぜひ一度ご覧ください。

外部カメラから障害物の情報を移動ロボットに反映するシステム:https://rtc-fukushima.jp/package/7078/
 

図2. シミュレーションと実機の取得する点群データの違い
図3. 物体認識を組み合わせたナビゲーション

 
株式会社FSK
研究開発担当:穴澤