過去の事業実績
 2022年度 https://rtc-fukushima.jp/column/6370/
 2021年度 https://rtc-fukushima.jp/column/5474/

概 要

(公財)福島イノベーション・コースト構想推進機構が、大学等による浜通り市町村等、他大学等、地域企業等との恒常的な連携体制の形成や特色ある教育研究プログラムの開発・実施を支援することにより、イノベーションを生み出す高度な人材の長期的な教育・育成の基盤を構築することを目的として、2021年度から新たに「大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤構築事業」を開始した。
本事業は、2021年度から2025年度までの5カ年の事業となっており、大学等の継続的な教育研究活動を通じて、浜通り地域等の復興に資する人材育成及び地域貢献が期待されている。会津大学では2018年度から「復興知事業」として実施してきた”浜通りロボット人材育成事業”を発展させ、2021年度からはこの事業の採択を受け、“若手人材が輝くロボット・ICT人材育成プログラム”を開始し、様々な人材育成活動を展開している。

※会津大学の事業紹介(PDF
※会津大学の他に採択となった、全21事業はこちら

目 的

浜通り地域等で、研究・教育機関と連携して若手のロボット・ICT人材を育成するとともに、地元企業等のロボット産業に関する取組の促進、支援を行い、技術力の向上と連携体制の強化を図る。また、地元企業のほか、浜通り地域等への進出企業とも連携し、福島ロボットテストフィールドを活用したロボット産業振興に貢献する。

活動実績

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■ 大学間連携ロボット・ICT人材育成(兼TA*養成研修)
【実施期間】2023年6月24日、25日(2日間)
【対象者】会津大学、福島大学、いわきコンピュータカレッジの各学生
【内 容】演習の講師をすることを目的として、プログラミング演習及び小型クローラロボット演習の指導方法について研修を実施。今年度よりいわきコンピュータカレッジの学生がTAとして初めて参加。これにより、講師となるための教育を受けた学生が、積極的かつ丁寧に受講生のサポートを行い、ロボットやICTに関する理解を促進することができた。
*Teaching Assistantの略語。講師のアシスト、高校生の学習支援を行う。

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■ ロボットシミュレータ(Choreonoid)研修
【実施期間】2023年8月24日、25日、26日(3日間)
【対象者】会津大学、福島大学、東北大学の各学生とIT関連企業の社会人
【内 容】ロボット開発において重要となるシミュレーション技術活用のため、3大学によるロボットシミュレータ技術教育を実施。講師として、コレオノイド開発者である株式会社コレオノイド 中岡慎一郎氏をお迎えした。
当日の模様 https://rtc-fukushima.jp/column/6659/
会社HP https://choreonoid.org/ja/#

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■ Pythonプログラミング演習(原町高校)
【実施期間】2023年7月20日、21日、12月19日、20日、21日(5日間)
【対象者】原町高校 1・2年生 25名
【内 容】ICT技術を持った若手人材の育成を目的として、Pythonプログラミング演習を実施した。原町高校では継続して行っているプログラムであり、昨年度も参加した生徒がいることから、応用編ではデータサイエンスを使用したプログラミング演習も行った。
 
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■ Pythonプログラミング演習(相馬農業高校・小高産業技術高校ほか)
【実施期間】2023年8月3日、4日、9日、10日(4日間)
【対象者】相馬農業高校・小高産業技術高校ほか 9名
【内 容】ICT技術を持った若手人材の育成を目的として、Pythonプログラミング演習を実施した。
夏季休暇中ということもあり、近くのテクノアカデミー浜の学生も参加した。また、南相馬市内の企業向けにも声がけし、一般企業の社員も参加した。

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■ Pythonプログラミング演習(相馬高校)
【実施期間】2023年11月28日、29日、12月5日、6日(4日間)
【対象者】相馬高校 普通科、理数科 1年生 137名
【内 容】ICT技術を持った若手人材の育成を目的として、Pythonプログラミング演習を実施した。今年度初めて相馬高校で実施、1年生4クラス総勢137名、各クラス4時間ずつというこれまでにない規模で、「情報Ⅰ」の授業完全組込みの形式で行われました。

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■ Pythonプログラミング演習(相馬総合高校)
【実施期間】2023年6月13日、14日(2日間)
【対象者】相馬総合高校 2年生 14名
【内 容】ICT技術を持った若手人材の育成を目的として、Pythonプログラミング演習を実施した。相馬総合高校も今年度初めて実施、「プログラミング・情報処理」科目を選択している2年生が対象で、すでにプログラミングは経験済み。会津大学 矢口勇一上級准教授が、この事業で初めて講師を担当した。

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■ 高校生クラブ活動支援(原町高校)
【実施期間】2023年5月25日、9月29日(2日間)
【対象者】原町高校 数科学部 20名
【内 容】原町高校数科学部の生徒が進めている研究活動に対し、会津大学及び福島大学の学生が大学での研究事例の紹介や実験方法、得られたデータの整理方法、論文及び発表用スライドの構成等について助言指導を行った。大学生らによる自身の研究に関する発表もあり、進路へのアドバイスにもつながった。

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■ 「総合的な探究の時間」授業における助言指導(原町高校)
【実施期間】2023年5月10日、9月19日、12月13日(3日間)
【対象者】原町高校 2年生 138名
【内 容】福島大学「復興知」事業と協業し、原町高校の2年生138名を対象とした探究学習科目「総合的な探究の時間」に参加し、生徒が行っている研究活動に対し本学教員及び学生が探究課題の設定、情報収集、調査研究、発表資料作成の方法について助言指導を行った。

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■ ロボットグループワーク支援(小高産業技術高校)
【実施期間】2023年5月12日、6月23日、7月14日、9月22日、11月10日、17日(6日間)
【対象者】小高産業技術高校 産業革新科電子制御コース3年生 3名
【内 容】正規授業「課題研究」で行われているロボットグループワークに参加し、ロボット制御プログラムに関する技術指導(画像処理、アームの制御)を行った。
 
■ 若手人材ロボット技術演習
【実施期間】2023年7月1日、2日、8日、9日、25日、26日、9月10日(7日間)
【対象者】小高産業技術高校、テクノアカデミー浜 16名
【内 容】
◎7月1日~9日 Arduinoを使用した小型クローラロボットの遠隔操作や自律移動に関する実習
◎7月25日 福島県ハイテクプラザ南相馬技術支援センターの施設設備を使用した実習
◎7月26日 南相馬市内のロボット関連企業訪問及び工場見学(菊池製作所南相馬工場、メルティンMMI、テトラ・アビエーション)
◎9月10日 ロボットシミュレータ(Choreonoid)を活用したロボット操作技術に関する演習
      ロボット(クローラロボットGiraffe、クローラロボットMISORA、ロボットアームxArm)及びドローンの実機を用いた操作・操縦訓練
  

2023年度復興知事業 各種テキスト・資料

この事業で使用したテキストは、「2023年度復興知事業 各種テキスト・資料」からダウンロード可能です。
Pythonプログラミング演習、ロボット・ICT教育の「Arduinoを活用した小型クローラロボット演習」で使用したテキスト、コレオノイド講習会のテキストを公開しています。

イベント出展・視察等対応

福島ロボットテストフィールド等で開催された複数のイベントにおいて、ミニクローラロボット及びロボットシミュレータの操作体験など、ロボット操作の実演や、本学のロボット研究、復興知事業の実施内容、南相馬ロボット産業協議会との連携等を紹介した。本来の活動では、主に高校生以上が対象となっているが、イベント出展などでは小さな子ども達にも興味をもってもらえるよう、様々なロボットを準備し体験できるよう展示を工夫した。
〈 実 績 〉
 9月1日~2日「ロボテスフェスタ2023」(福島ロボットテストフィールド)
 9月30日~10月1日「Out of KidZania in ふくしま相双2023」(福島ロボットテストフィールド)
 10月28日~29日「ロボテス縁日2023」(福島ロボットテストフィールド)
 11月4日「2023相馬市子ども科学フェスティバル」(相馬市・スポーツアリーナそうま)

  

分科会開催

本事業で、連携市町村を共に『南相馬市』として活動している東北大学福島大学とは、年に3度の定例分科会を開催している。南相馬市・門馬市長への報告も兼ね、それぞれの活動状況などを共有しながら、地域の課題解決や人材育成を含めた地域の活性化に向けてどのように協働していけるかなどを検討、議論している。
会津大学は、この分科会開催において「幹事校」を務めており、開催日程はじめ会場の設定、各機関との調整まで、全ての業務を担っている。

【日程】
 第1回 2023年5月17日
※第2回 2024年1月21日
 第3回 2024年2月9日

第2回分科会を「地域共創分科会」として開催
富岡町、川内村及び大熊町において復興知事業に取り組む長崎大学との協業が実現し、これまでにない市町村分科会の枠を超えた「地域共創分科会」として開催した。具体的な内容は、地元高校生等と地元関係自治体の職員などを対象とし、放射線と福島第一原発処理水についての専門家による講演、ワークショップからなるセミナーを開催した。

 
   

【各大学の事業】
東北大学 「福島浜通り地域社会フィールド実証学際拠点の構築」」(PDF
福島大学「『復興知』の総合化による食・農・ふくしま未来学の展開」(PDF
会津大学 「若手人材が輝くロボット・ICT人材育成プログラム」(PDF

所 感

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会津大学ロボット事業プロジェクトマネージャー
特任教授 屋代 眞

 
会津大学の「復興支援センター」は本年度7月に「復興創生支援センター」と名称を改め浜通りとの連携をさらに強めていきます。福島県から委託を受けて2015年度から進めている「産学連携ロボット研究開発支援事業」に加え、2月には国際研究教育機構(F-REI)のロボット分野での委託研究事業も開始し、会津大学のロボット技術の研究はさらに進展しています。福島イノベーション・コースト構想推進機構から委託を受けている「復興知事業」(本事業)では南相馬市のロボットテストフィールドにある「会津大学ロボットテストフィールド研究センター」を本拠地にして、会津大学の得意とするロボット技術と情報工学とを活かした浜通りの若手人材育成に取り組んでいます。
地元の企業の方々や南相馬市で活動する大学の先生・学生との交流を図り、地元の課題を共に考えながら高校生を始めとする若手人材育成を行ってきました。本事業の参加者は事業を始めた2018年度の延べ数十名から今年度は延べ500人を超えるまでに発展し、成果を上げています。今後も地元の皆さまとともに復興と未来の創造を目指していきます。